ほうれん草はしっかりと
他愛のない場所で、アイツはたまにとんでもなく初歩的なドジをしでかす。
明らかに自己主張しているはずのベンチに足をぶつけたり。
レギュラーメンバーと飯食いに行った時なんか、どう見たって目の前に置かれてるはずだった俺のドリンクに腕をひっかけて倒したり。
長い手足を持て余しているのか、ただ単にそこまで気を配っていないだけなのかは知らないが。
とにかくアイツはある意味本当に危なっかしくて、自然と目が離せなくなった。
「アイテッ・・・!!」
今日もそんな素っ頓狂な声が響く。
もしやと思い声がした方へ目を向けると、やはりその先には右足を擦りながら「痛かぁ・・・」と呟いている我が四天宝寺中テニス部員が一人。
いやいや。
そんな巨体で目に涙溜めながらしょんぼりされてもやな。
どうやら今回はコート脇に置いてあったテニスボール入れに足をぶつけたらしい。
一つ溜息を吐きながら、白石はそちらへと足を進めて声をかけた。
「おはようさん、久しぶりに来た思たら何してんねん千歳」
「う・・・見ちょったと?」
「瞬間は見てへんけど、どうせまた足ぶつけたんやろ」
「良か天気やけん空ば見ちょったら引っ掛けたばい」
「いやいやコート入ったら気合入れて注意しとかんと、ボール飛んできて当たっても文句言えんで?」
「文句なんかはなから言うつもりなかけん、しょんなか~」
「はぁ・・・まぁえぇから、はよコート入って練習始めや」
「ん。謙也~、俺とラリーばせんね~」
「お!千歳か!!えぇで!!」
ネットの向こうでダッシュ練習をしていた謙也に千歳が緩く声をかけると、謙也は目を輝かせて快諾している。
先程まで頭の周りに花でも飛んでいたんじゃなかろうかと思うほどふわふわしていた千歳だが、コートに入ればそんな花も一瞬で吹き飛んでしまう。
今纏うのはまさしく洗練された才気が放つ光そのもの。
ニヤリと細められた瞳は切れ長で、元々精悍な顔立ちである千歳を更に引き立たせている。
「・・・ほんまに二重人格なんとちゃうか?」
小さく溜息をつきながら白石は謙也と千歳のラリー練習を見学する。
千歳の部活参加率が低いゆえに、彼が居るときは優先してプレースタイルを見ておくのは必須事項なのだ。
しかし、あの恵まれた体格から放たれる打球は本当に目を見張るものがある。
大きな体躯をいかんなく発揮するために、その体に無駄なくまとった筋肉。
彼がこの大阪の地へ来たときには既に完成されていたかと思うほどのずば抜けた技術。
だがやはりこうしてじっくり見ていると、彼の不自然な癖がどうしても目に付く。
ラリーを終えて軽く汗を流した千歳が此方へと戻ってくる。
ベンチに置いてあったドリンクとタオルを取った千歳に、白石は再び声をかけた。
「千歳」
「ん?なんね白石」
「お前おかしな癖あんの気付いとる?」
「ん?ん~~~、そげね?」
「ほんまに勿体無いわ。フォアサイドの返球時に体捻ってるから、返球ワンテンポ遅れんねんで?」
「よ~見ちょるね~」
「部員のプレースタイルよう見とくんは部長として当たり前や」
「流石白石。伊達に二年から部長やっちょらんね」
「そない褒めてもなんも出ぇへん。で、話逸らしたつもりらしいけど。そうはいかんで千歳」
「かー。ほんなこつ見逃さん男ばいね~~」
さっきまでコートであれほどの光を放っていたとは思えないほどふわふわとつかみ所の無い笑顔を見せる。
それがいつもとほんの少し違う笑顔であることに白石は僅かな違和感を覚えながらも、口は部長としての義務を続けた。
「今日は徹底的にその癖直してくで。覚悟しぃや」
「ばってん、あれが俺の打ち方ばい。直したら打てんくなるけん、堪忍してくれんね?」
「そう思っとるだけで直せばもっと打ちやすくなるかもしれんやろ?癖なんてそんなもんや」
「やけん、あれは癖っちゅうか・・・」
「ん?なんや、なんか意味でもあんの?」
そう問えば、千歳の顔には更に困り果てたような笑顔が浮かぶ。
笑顔というか、むしろそれは苦笑に近い。
これはまず間違いなく意味があるのだろう。
だとすればそれはなんだ。
あの一見無駄に見える動きに理由があるなら、その理由を聞かねば、無駄を嫌う白石でなくとも納得は出来ないだろう。
更に問い詰めようとしたその時。
「危ない!!避けや!!!」
ふと白石から見て左側から謙也の声が響いてきた。
と同時に視界に入ったのは、すっ飛んでくる黄色いボール。
それは千歳の右顔面に向かって飛んできていた。
にも関らず一切避けようとせず、それどころか体ごとそちらを向こうとしている千歳を見て、白石は咄嗟に手に持っていたラケットでそれを弾き返した。
弾き返されたボールは向かいのフェンスに当たった後床をコロコロと転がっている。
どうやら誰も怪我人は出なかったようだ。
「すまんな!!大丈夫か!!」
「おん、怪我はないで」
「ほんならよかったっちゅう話や」
「気ぃつけや~」
財前と試合形式の練習をしているらしかった謙也は、それに応答するように一度ラケットを振ってから再びコートへ戻っていった。
ふぅ、と息を吐いて千歳へと目を向けると、彼はその目を珍しく見開いて先ほど白石が打ち返して床に転がっているボールを見つめていた。
「千歳、大丈夫か?」
「ん、あぁ、大丈夫・・助かったばい。ありがとね」
「おん、構へんけど」
今のそぶり。
それはよくよく考えれば彼が行っていたあのおかしな癖と似ていたことに気づいた。
まるでフォアサイドのボールを確認するかのように、体ごと捻った先ほどの姿。
千歳は癖ではないと言っていた。
癖ではない。
となれば、解っていても”そうせざる負えない”ということ。
では、何故?
「千歳」
「ん・・・」
今度は真剣に。
言い逃れなどさせないとでも言わんばかりに。
まっすぐにその目を見つめる。
それを受けて、千歳は今度こそ本当の意味で苦笑を浮かべた。
それでも口を割ろうとしない千歳に、白石は内心これでもかというほど溜息を吐く。
ここで言えない、というのなら。
「分かったわ、なら場所かえよか」
「え?」
「ここじゃ話されへん言うなら、部室行こ」
「あ、いや・・・」
「なんや、ここで言えるんならはよ言わんかい」
「言うって何の話ばしちょる?」
「もう言い逃れさせへんで。俺は部長として、お前の癖の原因知っとかんとあかんねん。お前ならその意味・・・分かるやろ?」
「・・・」
これを見逃して。
もし、万が一、それが原因で負けたとしたら。
俺は絶対に聞かなかった事を悔いてしまう。
そんなことは嫌だから。
納得して、全員で、全力で全国に挑みたい。
その為に。
例えそれを問い詰めたせいで千歳を傷つけてしまったとしても、俺は。
「・・・それは、そやね」
小さな吐息が漏れる音と共に、漏らされた呟き。
白石は目を細めると後ろの部室を指し示して問う。
「聞かれたない事情なら、場所かえてもえぇで?」
「此処で良かよ、逆に不自然やけん」
それは確かにそうだが。
今二人して部室へ向かうよりも、やたらと周りの騒がしい此処で声音を落として話したほうがよっぽど自然だろう。
そう白石が納得して頷くと、千歳は小さく笑ったあと、視線を白石から外して目を閉じた。
「千歳?」
どうしたのかと白石が声をかけると、千歳は何も言わず不意に右手をあげ、そのまま自分の顔へと持っていった。
大きな掌は、その整った顔にある右目を覆い隠すかのように添えられる。
そして。
「俺ん右目は、もう・・・殆ど見えちょらん」
「え・・」
今度は白石が言葉を失った。
千歳の放った言葉の意味が、よく理解できない。
「視力っちゅうか視野そのものが人の半分以下なんよ。生き残った視野に映っとるもんも、殆ど焦点合っちょらんけん、僅かな色合いしか分からんばい」
「な、ど、どういう事や・・・!」
「前に、ちぃと怪我ばしちょって・・・そん怪我が原因でな」
そう言って千歳は右手を眼前から離し、腰を曲げて白石の顔を至近距離で覗き込んだ。
こうして真正面から見て初めて気が付く。
確かに・・・
確かに千歳の右目は、白石の目をまっすぐに捉えてはいなかった。
ほんの僅かに、それは下を向いていて。
白石は驚いて更に目を見開く。
伝えたいことが分かったか、とでも言うように千歳が一度小さく微笑むと、折り曲げていた腰を再び戻す。
だがその視線は白石から外されて、遠い空を眺めるように顔ごと上へ向けられた。
「隠しとって悪かった。ばってん、俺も治そうと必死だったばい。そんために俺はこの大阪に来たけんね」
「治す・・・?まさか、ちょいちょい部活さぼっとった原因は病院か?」
「・・・まぁ、それも半分」
なるほど、あと半分は本当にただのサボリか。
まぁ、その件についてはあとでゆっくり話すとして、今はそれよりも。
「で、治るんか」
「・・・」
それまですらすらと話していた千歳の口が、不意に閉じられる。
その表情はここからでは分からない。
今このときほど、この長身を恨んだ事はない。
これほどの身長差がなければ、多少上を向いたとて表情の変化も分かるであろうに。
しばらく待つと、空へ向けられていた顔は、再び白石のほうへと戻ってきた。
そこにあったのは、まるで。
まるで、今にも泣き出してしまいそうな、微笑み。
「・・・こん光ば見れるんが、いつまでなんか・・・」
「え?」
その呟きの意図が分からず、思わず問い返す。
直後、白石はそのことを後悔することになる。
「明日か、もしくは来週か一年後か・・・とにかく、そう遠くなか未来に
俺ん両目はいずれ、光もなんも・・・見れんくなる」
両目、だと?
白石は無意識のうちに、呆然としたまま口を開いた。
それはまるでうわごとの様に。
「な・・・ど、どういうこっちゃ・・・両目・・・て」
「もう、右目はほとんど真っ黒に近かよ。そげな使いもんにならん右目ん代わりに、無駄に頑張っちょるのがこん左目ばい」
使い過ぎたもんは壊れるのがさだめ。
そう言って笑う千歳の顔を、白石は呆然と見つめた。
混乱していた脳内がすっと冷静になって、ふと色々不可解であった事全てに合点が行くことに気が付いた。
不自然なまでに物にぶつかったり、落としたり、引っかかったりしていた千歳。
その全ては、今思い直せば確かに彼から見て右側にある遮蔽物が原因だった。
そして彼の癖のある返球も決まってフォアサイド。
それらが全て、欠けた右の視野が原因であるとすれば。
「そ、そんならお前、これ以上テニスなんて続けとったら・・・」
「・・・そやね、テニスほど目に悪かスポーツは無かよ」
「せやったら!!!」
「俺を・・・退部にするとや?」
「!!??」
確かに。
確かに、片目の見えないテニスプレイヤーなど聞いたことがない。
これほど瞬発的に早いボールを打ち返し、広い視野を必要とされるスポーツで、遠近感すら失ってしまうそれは明らかに不利だ。
普通ならレギュラー落ちどころかテニス生命すら危うい。
しかし。
彼はその状態でこの四天宝寺中テニス部に乗り込み、レギュラーの座を軽々と手にした。
そしてそのまま約2ヶ月間、誰にもその事実を悟られること無く公式試合でも無敗を誇り、もはやこの四天宝寺にとって無くてはならない存在になった。
テニスどころか日常生活にすら支障が出ているはずなのに。
ここにいたるまでの彼の努力たるや、白石には到底想像などつくはずもない。
「こぎゃん欠陥かかえとる俺やけん、そうするんが部長として当然の判断ばい」
「千歳・・」
「判断は白石に任せる。・・・黙っちょったんはただ下手に気ば使われたくなかっただけで・・・騙すつもりはほんなこつ無かったとよ?ばってん、悪かったばい」
「それは・・・そんなことは構へん、俺はお前を信用しとる。前も、今も」
「白石・・・」
「せやから俺が言いたいのは、お前を退部させたいなんて事やないで。千歳は現にうちのテニス部にとって絶対に欠かせへん存在や」
だから、そんなことではなくて。
そうではなくて・・・
「俺が言いたいのは・・・お前がこれ以上テニス続けることが・・・」
続けることで、失明までの時間を著しく早めてしまうというのなら。
俺は部長ではなく、人として、友人として、続けさせる訳にはいかない。
その思いを今度は正確に受け取ったのか、千歳の目は再び大きく見開かれ、今度は嬉しそうに細められた。
「白石・・・。ほんなこつ、白石は優しか奴やね」
「何がや」
「確かに、テニスば続けるんは医者から止められとる」
「せやったら・・・!!」
「ばってん俺は・・・俺はテニスば続けたかよ」
そう言った千歳の顔からは一切の微笑みが消える。
その目は嘘など何もないというように。
まっすぐ白石へと向けられていた。
「今更辞めても、もう遅かよ。多少失明するまでの時間が伸びるだけばい。そんなら俺は、そん時間使ってテニスばしたか」
「なんで、そないに・・・」
「こん目は、親友とテニスばしちょった時に失ったばい」
「・・・・!!」
そうだ、そういえば。
ようやく思い出した。
半年ほど前、風の噂で確かに聞いた覚えがある。
九州二翼の二人が事故を起こして、翼は根こそぎ九州の地から消え失せたと。
事故の詳細も何も知らなかった。
ただ千歳の名前を聞いたとき直ぐに二翼の一人だと気づいたが、それ以上のことには気にかけなかった。
だとするならば恐らく、千歳の言う親友とはもう一人の翼であった橘桔平の事。
「俺がここでテニスば辞めたらきっと、俺も桔平も二度と笑えんくなる。やけん俺は、俺の為にテニスば続けっとよ」
「千歳・・・」
「白石が俺を辞めさせても、俺は必ず他のどっかでテニスばしとうと」
そうだった。
彼がこの学校へ来て二ヶ月。
そのわずかな時間のなかで白石は気づいていたことがある。
千歳という男は何事にも無頓着に見えて、実はこの部の中で最も強情で譲らない、頑固な男であると。
だとするならば、もう何を言っても無駄というものであろう。
千歳が部内で最も頑固だと言うならば、白石は部内で最も無駄が嫌いな男なのだ。
千歳が我を通すのであれば、俺もそれを通すことにしよう。
「・・・さよか、なら、そん力他のテニス部に渡す訳にはいかへんな」
「白石?」
「言うたやろ?お前はうちにとって、無くてはならん存在なんや。せやからお前がそういうんなら、遠慮なく限界まで付きおうて貰うで」
そういうと、千歳はしばらく驚いていたが、次第に嬉しそうに微笑んだ。
今までのような妙に大人びて、壁にすら感じていたあの微笑みではなく。
純粋で年相応の、心から嬉しそうな笑顔で。
「せやけど一個だけ約束してもらう」
「ん?」
「こっからはもしなんか異変感じたり、少しでも悪化したら、直ぐに俺に報告すること。お前の体調にまで影響出るようなら、部長権限で絶対に休ませる。えぇな?」
「ん、分かっとう。ちゃんと言うけん、安心しなっせ」
「ま、お前の今までの部活出席率から考えれば、自分で体調管理しとるみたいやしそれはえぇとは思うけどな、”報告”は絶対や。言いたいこと、分かるやろ?」
「う・・・」
従来の千歳の放浪癖も勿論あるのだろうが、自然に外へ足が向かうということは本能がそれを求めているのだろう。
適度な休息は恐らく、今の千歳の眼球にとって必要不可欠なものである。
で、あるからこそ。
「まさか、報告って・・・」
「部活中やったら直接言うてもらうし。それ以外の時なら勿論”部活休みます~”て報告や」
「えぇえ・・・」
「何驚いてんねん。社会的に当然のことを言うとるだけやろ?」
「ばってん・・・」
「休むことにはなんも言わへん、せやけどそれじゃ他の部員らに申し訳が立たん」
「それは・・・まぁ・・・」
「安心せぇ、詳細は勿論言わん。せやけどちゃんと報告もろてるならそう皆に言えるやろ?あると無いとは大違いや」
千歳はどうも縛られるのが苦手らしい。
だがこれくらいのルールは守れるようになって貰わないと心配で仕方が無いのだ、主に将来的に人として。
「なーんも難しいことは言うてへんやろ?その目でテニス続けるより1000倍簡単やで」
「えーーー、そげに難しいこつばしちょる俺に救済は無かね?」
「救済措置として休むこと許可してんねん、報告くらいせぇ」
「ばってん携帯ば見にくいけんしんどかよ~~」
「泣き言言うても知らん。気使われたくないんやろ?せやったら俺はそないな同情はせぇへん。厳しくいくで!!携帯嫌ならクラス隣やねんから直接来たらえぇ」
「えぇええ!!ってこつは学校毎日来んといけんと!?」
「どこに驚いてんねん当たり前やろ。丁度えぇわ出席率もこの辺でいい加減あげときや。実は1組の担任から頼まれてんねん、大体何で俺やねん。俺は千歳のおかんとちゃうで」
「し~ら~い~し~~・・・堪忍してほしかぁ・・・」
「なーんも聞こえへん、こうなったら徹底措置や」
「なんやなんや、なんの漫才や!!俺もいれろっちゅー話や!!」
「ちょっと二人ともん!!部活中にお笑いなんて珍しいじゃないの!!小春もま・ぜ・てぇん!!」
「小春ぅうう!!浮気か、死なすど!!!」
「先輩ら・・・部活せぇへんなら俺、帰りますけど」
後半はぎゃーぎゃーと騒いでいたせいか、知らぬ間に大騒ぎになっていた。
そのもみくちゃな渦の中で、不意に千歳と目があう。
ふと、再び先ほど見せた無邪気な微笑みを浮かべた。
千歳が一人ずっとその胸に抱えていたもの。
今日それを俺に吐き出したことで、少しは楽になったのだろうか。
遅かれ早かれ、いずれなんらかの形で他の部員達も千歳の目に気づくだろう。
もしかしたら、小春やユウジあたりは、その洞察眼で既に気付いているのかもしれないが。
とにもかくにも。
千歳がこの四天宝寺中テニス部の一員であることにはなんら変わりない。
同じ仲間としてこの先、アイツと一緒に俺達は全国へと挑む。
まだ千歳が見ているのは、九州とその地にいた親友かもしれない。
それでも。
そんなことすら吹き飛ぶ程ここの奴らはうるさくて、面白くてそんでもって、優しいんやで?
せやから千歳。
安心して学校に来ぃや。
お前を一人にする奴なんか、ここには誰もおらへん。
いつでも俺達は、待ってるからな。
その為にも。
「千歳、報告は絶対やからな!!忘れたら寮まで乗り込んで罰ゲームやで」
「なんやそれ!!面白そうな話やな!!混ぜろっちゅー話や!!」
「お、面白くなか!!嫌ばい!!」
「あらちょっと!こんな全力で拒絶する千歳きゅん初めて!!可愛らしわぁあん!!」
「ちょ!!小春!!??」
「千歳!!絶対逃がさへんからな!!!」
まずは社会人としてのルールから叩き込まなくては、な。